厚生労働省の昨年度調査で、企業で働く男性の育児休業取得率が40.5%となり、過去最高を記録しました。
男性育休取得率向上の背景
法改正による制度拡充の効果
・出生時育児休業(男性版産休)の創設:子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得可能
・育児休業の分割取得:従来は原則1回限りだった育児休業を、2回まで分割して取得可能に
これらの改正により、男性にとって育児休業がより取得しやすい環境が整備されました。
企業の意識変化
人材確保が困難な現在、優秀な人材の定着には働きやすい環境づくりが不可欠です。男性育休の取得促進は、企業にとって以下のメリットをもたらします
・離職防止効果:配偶者の出産・育児期における男性社員の離職リスク軽減
・企業ブランディング:働きやすい職場としての評価向上
・生産性向上:ワークライフバランスの改善による従業員満足度の向上
企業が対応すべき重要ポイント
1.法的義務の確実な履行
企業は以下の事項を個別に周知する必要があります
・育児休業、出生時育児休業に関する制度
・育児休業、出生時育児休業の申し出先
・育児休業給付に関すること
・労働者が育児休業・出生時育児休業期間において負担すべき社会保険料の取り扱い
2.意向確認の適切な実施
労働者の育児休業取得を控えさせるような形での実施は法違反となります。中立的な立場での確認が重要です。
政府は2025年までに男性育休取得率50%を目標に掲げています。
男性育休取得率40.5%という数字は、制度改正の効果と社会意識の変化を示す重要な指標です。企業にとっては法的義務の履行はもちろん、優秀な人材の確保・定着の観点からも、男性育休を取得しやすい環境づくりが競争力の源泉となります。
厚生労働省、令和6年度雇用均等等基本調査公表ページは、こちら
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